日本畜産学会報
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一般論文(原著)
動物園で給餌している樹葉の重量推定と栄養含量の季節変化
塩田 幸弘八代田 真人河村 あゆみ田中 正之
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2017 年 88 巻 1 号 p. 9-17

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抄録

日本の動物園でキリンなどに一般的に給餌されている4樹種(ニセアカシア,シラカシ,トウネズミモチ,ヤマモモ)を対象に,1)葉重量と枝切断面直径の関係から樹葉給餌量推定法の確立を行い,2)樹葉の栄養含量とその季節変化を評価し,飼料としての有効性を明らかにすることを目的とした.回帰分析の結果,枝切断面直径(X)から葉重量(Y)を推定することが可能であることが示された(全樹種を合わせた回帰式:Y=0.819X2.028,R2=0.784,P<0.001).樹葉の栄養含量については樹種ごとに異なる季節変化が認められ,葉の更新・加齢だけでなく,冬季および越冬後の環境変化の影響が示唆された.結合性タンパク質(BP)は,すべての樹種で極めて高い値となり(23.5-79.8%CP),採食量や消化率の低下に注意が必要であることが示唆された.

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