モヤシの製造過程で副産物として発生するモヤシ残さを反芻家畜の飼料として活用するための実験を行った.まず,スクリュープレスで脱水したモヤシ残さを供試し,小規模サイレージ発酵試験法を用いて,無添加区,乳酸菌添加区およびアクレモセルラーゼ入り乳酸菌製剤(アクレモ乳酸菌)添加区を設けて,サイレージの調製試験を実施した.次に3頭のヒツジを供試し,乾草と濃厚飼料から成る基礎飼料と基礎飼料の乾物30%をアクレモ乳酸菌添加モヤシ残さサイレージ(モヤシ残さサイレージ)で置き換えた試験飼料のそれぞれの消化率を消化試験で測定し,間接法によってモヤシ残さサイレージの消化率と可消化養分総量(TDN)含量を求めた.その結果,サイレージの発酵品質は乳酸菌添加では向上しないが,アクレモ乳酸菌添加で改善すること,モヤシ残さサイレージのTDN含量は,乾物あたり73.3%であり,フスマのそれに近いことが分かった.