日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
一般論文(原著)
カンショ由来生焼酎粕給与が肥育豚の飼養成績と肉質に及ぼす影響
勝俣 沙智鎌倉 美彩子磯島 聖良高橋 俊浩小林 郁雄河原 聡坂本 信介新美 光弘川島 知之
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 89 巻 2 号 p. 199-206

詳細
抄録

焼酎の蒸留副産物である生焼酎粕は揮発性のアルコールや有機酸を含むが,熱乾燥法により求めた成分値にはこれらが反映されていない.生焼酎粕を飼料原料として有効活用するため,生焼酎粕を含む飼料を肥育豚に給与し,飼養成績と肉質に及ぼす影響を調べた.LWD去勢雄8頭(体重69kg)を,4頭ずつ生焼酎粕区と乾燥焼酎粕区に割り当てた.両区ともに乾物あたり焼酎粕17%,配合飼料73%,トウモロコシ10%の割合で配合した飼料を給与し体重約115kgまで肥育した.行動解析により生焼酎粕を給与した肥育豚は活動性が低く,より多く休息していることが分かった.増体日量に差はなく,生焼酎粕供与による飼育成績は良好だった.乾燥焼酎粕区と比較し生焼酎粕区の胸最長筋のL*値が低い傾向にあった.また,胸最長筋の剪断力価は低い傾向にあり,消費者型官能評価によっても生焼酎粕給与により肥育された豚肉は柔らかいという結果となった.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 日本畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top