2020 年 91 巻 2 号 p. 93-102
乳牛の新たな長命性形質である生存能力(CL)について閾値モデルおよび線形モデルを適用し,1)遺伝的パラメータを推定,2)育種価を推定し遺伝的趨勢を調査,および3)CLにおける選抜形質としての有効性を検討した.CLとの比較のため,在群性(STAY)も分析に加えた.CLの遺伝率は0.1未満,同一産次のCLとSTAYの遺伝相関は0.70から0.84と推定された.同一形質の産次間分析では,閾値モデルを適用したとき高い遺伝相関(0.81から0.96)が推定された.同一形質の閾値モデルと線形モデルによる育種価間の相関は初産で0.97以上となった.CLとSTAYの遺伝的趨勢はともに低下傾向にあった.初産CLに対する選抜により,2産以降のCLに関する相関反応が期待できるかもしれない.