日本畜産学会報
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一般論文(原著)
接触型電極を用いたインピーダンス測定による枝肉肋骨間の切開面におけるオレイン酸割合の推定
村元 隆行渡辺 亮平柴 伸弥横田 朋佳中村 泰生
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2021 年 92 巻 3 号 p. 331-334

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抄録

黒毛和種去勢牛の枝肉(n=21)の第6から第7肋骨間の切開面に位置する胸最長筋のオレイン酸割合とインピーダンスとの関係について検討を行った.接触型電極を装着したLCRメータを用い,電極対の距離を1cmまたは3cmとして胸最長筋の表面に接触させ,1Hz, 120Hz, 1kHz, および100kHzにおけるインピーダンスを測定した.また,ガスクロマトグラフィー法により胸最長筋のオレイン酸割合を分析した.電極対の距離を1cmとした測定では,胸最長筋の1kHzにおけるインピーダンスとオレイン酸割合との間に有意な正の相関が得られた.電極対の距離を3cmとした測定では,胸最長筋の120Hz, 1kHz, および100kHzにおけるインピーダンスとオレイン酸割合との間に有意な正の相関が得られた.本研究の結果から,電極対の距離を3cmとしてインピーダンス測定することにより,枝肉肋骨間の切開面に位置する胸最長筋のオレイン酸割合を広い範囲の周波数で推定できることが示された.

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