産卵前期の採卵鶏に粗タンパク質(CP)含量が2ポイント低い飼料を給与し,鶏糞堆肥化過程で排出する環境負荷ガスを測定した.飼料摂取量,産卵率,卵重および排せつ物量に慣行区(CP 19%),試験区(CP 17%)間で有意な差は認められなかった.しかし,窒素排せつ量は試験区で有意に低い値を示した.また,堆積発酵法にて堆肥化処理を行った結果,試験区における40日間の排出量が慣行区よりもN2Oで12.0%,CH4で49.9%,NH3で34.8%減少した.さらに,堆肥を分析した結果,両区ともにN, P, K, 炭素率の値は一般的な採卵鶏糞堆肥であり,コマツナ種子による発芽試験では発芽率が90%を超えた.これらのことから,産卵前期採卵鶏の飼料中CP含量を2ポイント低下させることで,生産性に影響なく堆肥化過程で排出する環境負荷ガスの排出を削減することが可能であり,慣行区と同等の堆肥製造ができることが示唆された.