2021 年 92 巻 4 号 p. 511-517
兵庫県内の食肉卸売市場に出荷された黒毛和種6,465頭を用いて,枝肉単価を目的変数とした最小二乗分散分析を実施した.モデルに格付成績,近赤外光分析装置により測定したモノ不飽和脂肪酸(MUFA)割合,画像解析手法により算出した細かさ指数を組み入れて分析した結果,皮下脂肪厚と牛脂肪色基準値以外のすべての変数で有意な効果が認められた(P<0.05).牛脂肪交雑基準値(BMSNo.)が枝肉単価に強く影響することが確認できた一方,細かさ指数とMUFA割合にも有意な効果が認められた.BMSNo.によりデータを4区分して検討したところ,細かさ指数はBMSNo.10以上,MUFA割合はBMSNo.6から9の範囲において,特に枝肉単価に影響することが明らかとなった.また,両形質の偏回帰係数はすべて正の値であったことから,MUFA割合および細かさ指数を高めることは枝肉の経済的価値を高める可能性が示された.