日本畜産学会報
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一般論文(原著)
アニマルウェルフェアに配慮された牛肉の購買行動に関する日本・スイス・中国の3ヵ国比較
志賀 保夫伊藤 かおる今山 玲山本 真奈未松浦 晶央
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2022 年 93 巻 4 号 p. 331-346

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抄録

消費者のアニマルウェルフェアに関する認知や世界的に深刻化する食糧問題の認識について,国際的水準での比較を目的として日本とスイス,中国の3ヵ国の25歳以上65歳未満の消費者492名を対象にインターネット調査を行い検討した.日本はスイス,中国と比べアニマルウェルフェア認知度,肉用牛の飼育環境や飼料への関心,アニマルウェルフェア普及啓発への関心,食糧問題の意識が低いことが明らかとなった.またアニマルウェルフェア普及啓発と消費者の牛肉選択と食糧問題の認識との間に関連性が確認された.この結果から,アニマルウェルフェア普及啓発が日本の消費者の購買行動に影響を与えるとは結論づけることはできないものの,持続可能な発展と畜産の両立ができる環境整備に繋げるために,家畜のアニマルウェルフェアに配慮した飼育方法について学校教育・リカレント教育の場などで教育的介入が重要であると考えられた.

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