本研究では,市販ミールワーム(Tenebrio molitor)を冷蔵環境下で保存した場合の生存率,体重および脂肪酸組成等の経時的変化について検討した.試験には,市販されているミールワームを用いた.冷蔵日数を0(冷蔵前),10,20,30および45日とし,冷蔵日数ごとに1群あたり200個体のミールワーム群を3群ずつ配置した.測定項目は,保存時の温湿度,各冷蔵日数におけるミールワームの生存率,体重および脂肪酸組成とした.冷蔵日数の経過に伴い生存率および体重の低下がみられた.また,ミールワームの冷蔵日数の経過に伴い総不飽和脂肪酸および多価不飽和脂肪酸の割合が増加することが示唆された.これらのことから,ミールワームを冷蔵保存し生餌として給与する場合,冷蔵日数の経過に伴い生存率,体重および脂肪酸組成が変化することを考慮する必要があると考えられた.