日本畜産学会報
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和牛の肉質を向上させたビタミンAコントロール技術 ─これまでの研究と今後の展開─
岡 章生
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2025 年 96 巻 1 号 p. 59-62

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抄録

黒毛和種肥育牛の産肉性に対するビタミンAの影響が研究され,肥育中期にビタミンAを制限給与すると脂肪交雑が高くなることが明らかとなった.また,ビタミンAを多量に投与すると増体量が大きくなった.ビタミンAの増体量への影響には甲状腺ホルモン,インスリン様成長因子—1が関与し,脂肪交雑への作用には脂肪細胞の分化と過形成が関与していると考えられた.これらの研究成果をもとに黒毛和種肥育牛の肉質を向上させる飼養方法の一つとしてビタミンAコントロール技術が開発された.海外でも肉用牛でのビタミンAの研究が盛んに行われており,効果はそれほど大きくないもののビタミンA制限により脂肪交雑が向上している.また,出生時にビタミンAを投与すると脂肪交雑が上昇したとの報告があることから,子牛から肥育終了までの効果的なビタミンA給与方法を確立する必要があると考える.

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