日本畜産学会報
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和牛肉のおいしさと食味性
入江 正和
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2025 年 96 巻 1 号 p. 63-65

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抄録

おいしさはヒトの感覚で,食味性は肉に存在するおいしさを与える要因である.食味性から脂肪交雑の多い和牛肉のおいしさ要因を概説する.和牛肉がおいしいとされるのは,見栄えが良く,やわらかく,多汁性に富み,風味が良いと評価されるからである.明るい食卓に皿に盛られた細かい脂肪交雑の入ったスライス肉は日本人の視覚を刺激する.長期肥育にも関わらず和牛肉がやわらかい理由は,軟質な筋肉内脂肪が筋肉組織や結合組織に細かく入り込み,それら物性を脆弱化させているためである.和牛の脂肪はオレイン酸などの一価不飽和脂肪酸が多く,融点が低く,食感に滑らかさを与え,多汁性の高さにも影響する.風味では,遊離オレイン酸などが脂肪味となり,味覚を刺激する.遊離脂肪酸はさらに変化し,ラクトンなどの匂い物質となり,嗅覚に良好な香りをもたらす.

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