日本畜産学会報
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間性山羊の腦下垂體前葉に關する研究
1. 細胞學酌研究,特に特殊細胞に就て
内藤 元男
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1949 年 19 巻 1-4 号 p. 45-49

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抄録

5型の間性山羊腦下垂體前葉(A. H.)について細胞學的に研究したものである。
(1) 山羊のA. H.にも3型の分泌細胞α,β,γが見られる。
(2) 成熟間性山羊A. H.の3型細胞の相對値はα,γは多く48~50%前後で正常な發情間期の♀と餘り差はないが,βに於ては何れも2.5%前後で著しく低い。之は幼若なものでも略同樣である。
(3) 成熟間性山羊A. H.には長徑18~36μの極めて肥大した特殊の緬胞が腺前下部の相當數の小葉に見られ核も6.5~12.9μで極めて大きい。この細胞の分布大きさ,形,數等には間性の型の間に差が見られ生殖腺の状態と關聯している樣である。
(4) 特殊細胞はその顆粒の染色性,核の染色性,位置,GOLG A.の位置,形状よりβ性のものと思はれる。
(5) 特殊細胞は生後4ヶ月以降あものに出現し,3ヶ月迄のものにはない。よつてその生因は性活動開始期に生殖腺の異常による二次的なものと思はれる。

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