抄録
マウスを用いてビタミンLの生殖生理的作用の追究を主眼としそ実験し次の如き結果を得た。
(1) マウスでは50日間程度のL欠乏に対しては経産未経産を通じて著しい泌乳障害を起すとは考えられない。
(2) 幼若マウスに対してLの経口投与は,♀♂共に体及び生殖器官発育には大した効果がみられないが乳腺組織の発育を促進するものと認められる。
(3) 未性成熟♀マウスにAnthranilic Acid即ちL1とProlanとを適量混合皮下注射するとProlanの性腺刺戟効果を増大し,L1の乳腺組織発育促進効果をも増加さす,即ちProlanとビダミンL1との間には相互的協同作用が存在する。