日本畜産学会報
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乳酸菌によるDiacetyl生産について
佐々木 林治郎津郷 友吉今村 経明村井 宗昭
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1954 年 24 巻 4 号 p. 176-179

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抄録

本研究は乳酸菌によるdiacetyl生成及びその条件について実験を行つた。
1 PRILL-HAMMER法によるdiacetyl定量法について検討した。その結果, 試料のpHを6.5に調節し, 炭酸ガスを通じ乍ら25~30分間に溜液10ccをとり, 発色後25-30分間に比色を行つた。この方法による精度は平均95.10%であつた。
2 0.15%クエン酸, 乳糖, ブドウ糖及びガラクトースの添加によつてdiacetyl生成量が増加した。この中クエン酸の添加が最も効果があつた。また糖類の中では乳糖の添加か最も効果的であつた。
3 振盪培養によつてdiacetyl生成量は著しく増大された。特に0.15%クエン酸添加して振盪培養するのが最もよかつた。同時に乳酸菌の繁殖が若干阻害されることを認めた。
4 培地にCaCO3を添加するとdiacetyl生成量が若干増加した。
5 培養温度は, 発育適温より低い場合にdiacetyl生成量が多く, Str. lactisでは20℃において最大であつた。
6 バター製造の場合には, チャーニングの際にdiacetyl量の増加が最も大きかつた。

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