日本畜産学会報
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乳牛の乳器の大きさとその変化について
II. 測定値と産乳量との相関性
鈴木 省三太田 三郎門 範明岩男 直道
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1963 年 33 巻 6 号 p. 471-474

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抄録

1. ホルスタイン種の乳牛87頭について,乳器12部位の測定を行ない,乳器の大きさと泌乳能力との相関関係を研究した.
2. 乳器各部位の測定値と産乳量(測定当日および305日間)との表型相関係数は,すべて正であつた.そのうち,乳房外面の長さと幅,および前乳房幅については特に高く,いずれも0.6以上の値を示した.また,測定当日乳量との相関係数は,305日乳量との相関係数よりも一般に高かつた.
3. 乳房の大きさの近似値として算出した乳房容積係数と,産乳量との相関係数は,測定当日乳量との間で+0.823,305日乳量との間で+0.733となり,各測定部位についての相関係数よりも高かつた.
4. 乳頭間隔および乳頭間の推定面積と産乳量との相関係数は,+0.30~0.55で,乳房容積に関連する測定部位の場合に比べて,低い値を示した.
5. 産乳量との相関関係が高い測定部位においても,回帰方程式による推定乳量と実乳量との差は平均565kgに達し,精度が高い産乳量推定は困難であつた.

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