日本畜産学会報
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33 巻, 6 号
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  • 木本 武雄, 藤田 和夫
    1963 年 33 巻 6 号 p. 435-440
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • VI. 豚肉中の食塩量と電気抵抗との関係
    大高 文男
    1963 年 33 巻 6 号 p. 441-446
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    赤味のひき肉に既知量の食塩を添加して,その電気抵抗を測定したところ,電気抵抗値R(Ω)と添加食塩量N(%)との間に,次のような関係式が得られた.
    N=94.3/(R-10)-0.519
    硝酸塩および亜硝酸塩は,電気抵抗に,食塩と大体同じ程度に影響を与える.そこで,電気抵抗を測定して肉中の食塩量を知ろうとするときには,それらの混在量にともなう影響があることを考慮する必要がある.蔗糖の添加により,ひき肉の電気抵抗値は高くなるが.肉加工の塩漬けに普通用いられる程度の量では,ほとんど影響がないようである.燐酸塩は,食塩ほど著しくないが,やはり電気抵抗を低下させる作用がある.
    肉片を食塩水に塩漬けした後,電気抵抗値と食塩量を測定し,両者の間に,ひき肉の場合と同型の次の関係式が成り立つことを知つた.
    N=51.2/(R-10)+0.206
    なお,この式を用いて,塩漬け肉片中の浸入食塩量を推定し,化学的に定量した結果と比較した.
  • 加藤 久弥, 村上 敏明, 小野 勝彦, 菊池 宏美, 熊谷 貞雄, 松尾 明延, 蓮本 洋
    1963 年 33 巻 6 号 p. 447-451
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ロードアイランド•レッド種の雄初生ヒナを,3群にわけ,それぞれ基礎飼料のみ(BD区),それにTM 10を500g/1,000kgに加えたもの(TM区),この添加飼料にさらにテレフタル酸を0.5%加えたもの(TPA区)で飼育し,体重増加率および血中の抗生物質濃度を比較した.ただしTM 10はオキシテトラサイクリンを10.2g/500g力価ふくんでいる.またTPA区では,テレフタル酸二ナトリウムを用いた.
    1. 体重増加率:第1週目の平均体重が86.1g (BD区),83.4g (TM区),84.6g (TPA区)の各区35羽は,第4週目にそれぞれ312.8,363.4および379.3%の体重増加率を示した.また,このうち,第1週目の平均体重が85.0g (BD区およびTM区)および85.1g(TPA区)の各区10羽ずつについて,さらに第7週目まで計測したところ,体重の増加率は,それぞ722.1,806.0および862.5%であつた.
    2. 血中オキシテトラサイクリン濃度:TM 10を500g/1.000kg(TM区),およびこれにテレフタル酸を0.5%加えたもの(TPA区)を,それぞれ朝1回に1日量を飼料とともに与え,2および3時間ごとに血中の抗生物質濃度を測定した.その結果,両区とも,3時間目に最高濃度に達し,TM区では,4-6時間で0.075μg/ml以下に低下したが,TPA区では,最高値がTM区の2倍にのぼりしかも12時間目でも約0.1μg/mlの濃度を維持していた.TM 10を倍量投与した場合は,最高濃度は,両区ともさらに上昇したが,持続時間は,前実験と同様TM区では短かかつたが,TPA区では12時間以上も相当に高い濃度を持続していた.
    以上の結果から,オキシテトラサイクリン添加飼料にテレフタル酸0.5%を添加して飼育すると,ヒナの体重増加が促進されるばかりでなく,血中の抗生物質の濃度が高められ,かつそれが長時間持続するという効果が,あることが,顕著に認められた.
  • VI.家兎における視床下部-下垂体後葉神経分泌系の発達と前葉細胞の分化との関連
    中原 達雄
    1963 年 33 巻 6 号 p. 452-460
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    家兎の胎児で,視床下部-下垂体後葉神経分泌系およびこれを囲む腺性下垂体の輪郭ができあがるのは,交尾後20日目である.神経分泌顆粒は,視索上核および脳室旁核の細胞には,交尾後20日目に,後葉には25日目に,始めて現われる.これらの顆粒は,その後,時日の経過につれて,次第に増加するが,生後10日目でも,成体と比較すると著しく少ない.生後15日以後では,成体とほとんど変わりがない.視床下部下垂体路に,顆粒がはつきり認められるようになるのは,生後である.胎児および新生児の神経分泌細胞分泌の様式は,主として核分泌である.
    前葉細胞の分化は,神経分泌の開始よりやや遅れる.交尾後28日目にPASに陽性の塩基好性細胞が,30日目に同じく酸好性細胞が,それぞれ後葉および視床下部下垂体路に近い腺体の背部およびZona tuberalisに出現する.前葉細胞に著しい肥大や増数がみられるのは,生後10日目以後である.この時期は,後葉に神経分泌物の増加が始まる時期と一致する.
    以上の結果から,全葉細胞の分化および発達と神経分泌物との間には,密接な関係があるものと考えられる.
  • 長沢 太郎, 棚橋 保
    1963 年 33 巻 6 号 p. 461-470
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    症状を異にする乳房炎牛3頭を用い,それらの乳蛋白の変化を,Tiseliusの電気泳動装置を用いて追求した.主要な結果はつぎのとおりである.
    1. 不顕性乳房炎では,γ-カゼインの相対重量がやや増加し,β-カゼインのそれは減少した.ホエー蛋白質では,免疫グロブリンの相対重量が増加するのみで,他の成分には変化が認められなかつた.
    2. 乳房炎が急性になるにつれて,γ-カゼインの相対重量は増加する.それとともにβ-カゼインのそれは平坦化し,α-カゼイン峰にも異常性が認められた.一方,ホエー蛋白質では,免疫グロブリン,血清アルブミンの相対重量が著しく増加し,ホエー蛋白質の約60%,またはそれ以上を占めるようになつた.
  • II. 測定値と産乳量との相関性
    鈴木 省三, 太田 三郎, 門 範明, 岩男 直道
    1963 年 33 巻 6 号 p. 471-474
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. ホルスタイン種の乳牛87頭について,乳器12部位の測定を行ない,乳器の大きさと泌乳能力との相関関係を研究した.
    2. 乳器各部位の測定値と産乳量(測定当日および305日間)との表型相関係数は,すべて正であつた.そのうち,乳房外面の長さと幅,および前乳房幅については特に高く,いずれも0.6以上の値を示した.また,測定当日乳量との相関係数は,305日乳量との相関係数よりも一般に高かつた.
    3. 乳房の大きさの近似値として算出した乳房容積係数と,産乳量との相関係数は,測定当日乳量との間で+0.823,305日乳量との間で+0.733となり,各測定部位についての相関係数よりも高かつた.
    4. 乳頭間隔および乳頭間の推定面積と産乳量との相関係数は,+0.30~0.55で,乳房容積に関連する測定部位の場合に比べて,低い値を示した.
    5. 産乳量との相関関係が高い測定部位においても,回帰方程式による推定乳量と実乳量との差は平均565kgに達し,精度が高い産乳量推定は困難であつた.
  • IV. 過酸化物に対するケラチンの反応
    神谷 誠
    1963 年 33 巻 6 号 p. 475-479
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    緬羊毛の単繊維に対する過酸化物の処理効果と,修復剤の処理効効果について,実験検討した.その成績を要約すれば,つぎのとおりである.
    1. 過酸化水素処理による緬羊毛の脆弱化は,溶液の濃度の増加または処理時間の延長とともに,著明となる.
    2. 酢酸第二水銀酢酸々性溶液は,過酸化物処理毛に対して,明らかなる修復効果を示す.しかし,この処理のため,羊毛特有の捲縮は消失する.
    3. 塩化ベンザルコニウム溶液(オスバン)の修復効果は著明ではない.この処理では,羊毛の捲縮の消失は認められない.
  • II. P. caseicolumの生産する蛋白分解酵素の性質 津郷友吉•松岡博厚
    津郷 友吉, 松岡 博厚
    1963 年 33 巻 6 号 p. 480-483
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1. P. caseicolumの蛋白分解酵素には,そのpH作用曲線からみて,活性の峰をpH3.0付近に示す酸性プロテアーゼ,pH6.5付近に示す中性プロテアーゼ,およびpH10.5付近に示すアルカリ性プロテアーゼの3種類が存在し,酸性プロテアーゼは,他の2つに比して,活性が著しく低いことが認められた.
    2. アルカリ性プロテアーゼは,最適温度が30°C付近で,熱に対して不安定である.中性プロテアーゼは,最適温度が35~40°Cの範囲にあつて,前者に比し,熱に対してかなり安定である.また酸性プロテアーゼは,最適温度が35°Cであつた.
    3. 半硬質白カビチーズの最適食塩濃度である2.5~3.0%の範囲では,中性プロテアーゼの活性は7~13%低下するだけで,実際のチーズの熟成においては,それほど影響がないと思われる.
    4. カゼイン培地中にK2HPO4が50mg%存在する場合は,P. caseicolumの中性プロテアーゼの活性度が最高であることが認められた.
  • III. 製造および熟成条件の改良
    津郷 友吉, 松岡 博厚
    1963 年 33 巻 6 号 p. 484-488
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    半硬質白カビチーズの熟成に最も密接に関係しているP. caseicolumの中性プロテアーゼの作用に適するようにチーズのpHを調整したり,熟成温度を高くしたりして,半硬質白カビチーズの製造および熟成試験を行なつた.その結果,
    1. 乳酸菌スターターを添加後ただちに乳酸で酸度補正を行なつて製造したチーズは,乳酸菌スターターのみの酸度上昇によつて製造したチーズと比較し,風味および組織に関し,ほとんど変わりがない.その熟成中のpHは,後者よりプロテアーゼ作用の最適に近く,蛋白分解率もすぐれていた.乳酸菌を用いないで,乳酸のみで酸度補正を行なつて製造したチーズでは,蛋白分解率は,前二者と大差がなかつたが,チーズの風味に欠け,組織もカード状で,不良であつた.
    2. 温度25°Cで熟成したチーズは,表面付近のみが,短期間の熟成で,熟成過度の状態を示した。
    3. P. caseicolumの中性プロテアーゼの生産に影響するチーズ中の可溶性燐含量について検討した.その結果,生チーズでは3.4mg/g,1週間熟成したチーズでは7.9mg/gと増加し,製造工程中での燐酸塩の添加は,必要ないものと認められた.
  • 1962 年 33 巻 6 号 p. 494
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
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