日本畜産学会報
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カマンベールチーズの微生物に関する研究
II. カマンベールチーズかびの蛋白分解酵素について
菊池 俊彦高藤 慎一
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1971 年 42 巻 5 号 p. 205-209

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抄録

1. カマンベールチーズかびの保存菌株,および市販スターターおよび市販チーズから分離した菌株について蛋白分解酵素の特性を調べた.
2. 供試菌株はツアペック,その他の培地上で,I型(P. camemberti),IIおよびIII型(P. caseicolum)の3群に大別されI型菌株の酵素活性が高かった.
3. かび蛋白分解酵素は,pH3.0,6.0付近にそれぞれ作用至適pHを有し,かびの群別による差は認められなかった.III型についてのみ行なった結果では9.5付近にも至適pHがみられた.また生育日数によって酵素の活性は増加するが,pH特性は変化しなかった.
4. 食塩濃度が0.5%のとき酵素活性は最高を示し,濃度が増すにつれ,酵素活性は低下し,15%では最大活性時のほぼ1/3の活性となった.
5. 酵素活性の至適温度は35-40°Cであり,I型およびIII型に比べII型は低目であった.

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