日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
飼料に発生するかびの研究
II. 豚の中毒原因とみなされたかびの分類学的研究
佐々木 酉二佐々木 博
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 42 巻 5 号 p. 210-215

詳細
抄録

北海道虻田郡倶知安町の瑞穂共同養豚場で発生した,豚の飼料中毒の原因を調査して,次の結果を得た.
1. 死亡した豚に給与したマッシュド•ポテトフレークを,微生物学的に調査し,この飼料中毒が,飼料中に多量に発生していた,かびに起因するものであると推定した.
2. 中毒をひきおこした飼料中に発生していたかびを,分類学的に研究し,次の7種分類同定した.
Neurospora tetrasperma, Geotrichum candidum, Aspergillus fumigatus, A. flavus, A. terreus, Penicillium roqueforti, P. expansum.
3. 上記7種の中では,A. fumigatus, A. flavusおよびP. roquefortiの繁殖が著しく,これら3種は,いずれも毒素生成菌として報告されていることから,今回の飼料中毒も,これらのかびが主因をなしたものと考える.

著者関連情報
© 社団法人日本畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top