白色レグホーン種雄初生雛にZn含量が異なる4種類の試験飼料を給与して2∼3週間飼育し,雛の体内におけるglucoseの利用性におよぼす飼料のZn含量の影響を検討した.飼料中のZn含量を24,36,100ppmと高めるにつれ腹腔内に注射したglucoseの利用性が増進したが,200ppm Zn区でのglucoseの利用性は100ppm区に比べて低下した.また,肝臓のglycogenおよびZn含量は,飼料のZn含量が高まるにつれ増加したが,200ppm Zn区では幾分低下した.肝臓におけるglycogen量とZn量との間には高い正の相関(γ=+.946,P<0.001)が認められた.飼料中のZn含量の増加による影響は,insulin, glucoseおよび抗糖尿病性物質などを投与した場合の影響と類似していた.Znの摂取量のみが異なり,他の栄養素の摂取量が同一になるように飼料の給与量を制限した場合の雛の血糖値,肝臓および筋肉におけるglycogen量の変化は,Zn含量の異なる飼料を白由摂取させた場合の変化の傾向と一致していた.糖質代謝の点からみた限りでは,雛に対するZnの給与量はN. R. C.飼養標準に示されてある50ppmよりも幾分多い方が良いように考えられた.