1975 年 46 巻 2 号 p. 101-107
118匹のウィスター系成熟雌ラットを用い,妊娠初期の胚の生存率に対する飼料のエネルギーおよび蛋白質含量の影響を検討した.その結果,飼料の可消化エネルギー(DE)含量が低い場合(2.6kcal/g),および中程度の場合(4.0kcal/g)には,飼料のカロリー•蛋白質比(CPR)の減少にともない胚の生存率は低下したが,飼料のDE含量が高い場合(5.0kcal/g)には,CPRの減少につれて胚の生存率は逆に増加する傾向が認められた.また,CPRが比較的近似しているグループ間では,飼料の蛋白質含量が高い場合に胚の生存率が低下した.なお,飼料のCPRの変化によってもたらされた胚の損耗は,両子宮角に無作為的に生じていることが判明した.