チーズより分離した酵母9株について,チーズスターターとして用いられている乳酸菌との相互作用を検討した.脱脂乳を培地とし,各酵母および乳酸菌を単独培養あるいは両者を混合培養して,それら培養液中の生菌数および蛋白分解力等を測定した.その結果,乳酸菌を単独で培養した場合(25°C)は接種15日目でそのほとんどが死滅したが,酵母と混合培養した場合には30日目まですべての混合培養液中に乳酸菌の生存が認められた.蛋白分解作用についても乳酸菌および酵母を混合培養した場合は酵母9株中5株に相乗作用が認められた.この混合培養による蛋白分解力の相乗作用は食塩3%あるいは6%を添加することによって著しく減少し,また培養温度を10°Cおよび5°Cに低下させた場合にはまったく認められなかった.