日本畜産学会報
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鶏成長ホルモンの精製とその性状
東條 英昭藤井 信野入 宏承小川 清彦服部 真彰
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1979 年 50 巻 12 号 p. 863-869

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抄録

鶏の下垂体前葉から成長ホルモンを分離精製し,その性状について調べた.精製方法は,アルカリ抽出,硫安沈殿,イオン交換樹脂(Amberlite IRC-50)によるクロマトグラフィー,Sephadex G-75によるゲル〓過および等電点電気泳動法を用いて行なった.得られた鶏成長ホルモンは,下垂体前葉除去雄ヒナの頸骨骨端軟骨幅を有意に増加させる作用を示した.また本実験で得られた鶏成長ホルモンは,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により分子量25,800,等電点電気泳動法によりpI 7.93およびラット成長ホルモンとの間に約2%の交叉性をそれぞれ有することが認められた.さらに,アミノ酸分析の結果,この成長ホルモンは,これまでに報告されている鶏成長ホルモンと極めて類似したアミノ酸組成を有することが認められた.

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