日本畜産学会報
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低脂肪飼料給与ヒナの肝臓脂肪蓄積に対する繊維性物質の影響
秋葉 征夫白鳥 茂松本 達郎
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1979 年 50 巻 7 号 p. 460-464

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抄録

ヒナの脂質代謝に対する飼料中脂肪含量と繊維性物質の影響を検討し,さらに低脂肪飼料給与時の繊維性物質給与の影響についても検討を加えた,14日齢の白色レグホーン種雄ヒナを供試し,試験1では基礎飼料(脂肪含量6%)と低脂肪飼料(脂肪含量0.4%)を14日間強制給餌により給与した.試験2では低脂肪飼料(脂肪含量0.4%)を同様に給与した.繊維性物質としてセルロース,ポリエチレンおよびポリアミドを供試し,飼料中にそれぞれ4%添加した.低脂肪飼料給与により,基礎飼料給与に比較して肝臓重量は約2倍に,肝臓脂質量は約3倍に増加したが,腹腔内脂肪重量は著しく減少した.セルロースの肝臓脂肪蓄積抑制効果は,低脂肪飼料給与時よりも基礎飼料給与時により顕著に現れたが,ポリエチレンの作用はセルロースの場合とは反対に低脂肪飼料給与時に顕著に現れた.したがって,脂質代謝に対するセルロースの作用は,飼料中脂肪含量によって変動し,ポリエチレン等の合成高分子化合物の作用とは異なることが示唆された.

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