日本畜産学会報
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馬血清中のGc蛋白およびPa蛋白の分類と遺伝並びにそれらの親子判定における有効性に関する研究
桑島 正夫茂木 一重細田 達雄阿部 恒夫
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1981 年 52 巻 1 号 p. 17-21

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抄録

日本に飼養されているサラブレッド,アングロアラブ,木曽馬,ポニー,北海道和種および中間種•重種の6品種の馬から任意に抽出された1143頭の血清GcおよびPa型を調査し,品種間の出現頻度を比較し,親子判定における有効性を検討した.木曽馬のGc型を除いては全ての品種で多型を示し,GcシステムではGcFおよびGcs,PaシステムではPaD,PaFおよびPasの共優性の遺伝子によって支配されていることがわかった.Gcシステムでは木曽馬を除く全ての品種においてGcFの頻度がGcsより高く,PaシステムにおいてはPaFの頻度はPasおよびPaDより高く,特にポニーでは大きな差がみられた.これらの血清蛋白質型座位における父権否定の確率を各品種ごとに求めると2つの座位を組合せた場合,サラブレッド=0.026,アングロァラブ=0.044,木曽馬=0.057,ポニー=0.338,北海道和種=0.060および中間種•重種=0.155の値が得られた.既に明らかにされている血清蛋白質型4座位(Tf, Alb, EsおよびPre)と組合せた合計,6座位による父権否定の確率はサラブレッド=0.625,アングロアラブ=0.682となった.

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