日本畜産学会報
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24時間以外の日周期下におけるウズラの産卵と放卵リズム
小林 真岡本 悟松尾 昭雄
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1981 年 52 巻 1 号 p. 39-46

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抄録

ウズラ(Coturnix coturnix japonica)の産卵と放卵リズムにおよぼす24時間以外の日周期の影響を明らかにするため,27時間と30時間の日周期延長区(27h区と30h区),21時間と18時間の日周期短縮区(21h区と18h区),および24時間の対照区(24h区)を設け,それぞれの日周期内における点灯から放卵までの時間,放卵間隔,卵重および産卵率を比較した.点灯後放卵までの時間は日周期の違いによって異なる分布型を示した.24h,27hおよび30hでは,それぞれ点灯後12時間,4時間および23時間に放卵のピークが現われたが,18hでは明瞭なピークが現われず,21hでは消灯前後に放卵頻度がわずかに高くなった.24h,27hおよび30hの日周期を与えた場合は,放卵間隔が日周期の長さと同じになり,放卵リズムはそれぞれの光周期に同調したものと考えられた.これに対し,18hでは明らかにフター•ランニング•リズム(自由継続リズム,Free-running rhythm)を示して放卵間隔が26時間以上となったが,21hでは放卵間隔が18hと24hの場合の中間となった.24時間以外の日周期下における卵重は24hの場合より増大したが,産卵率は低下した.27hおよび30hでは,24hと比較して放卵間隔がのびたが,それぞれの日周期下の供試ウズラを剖検した結果,この放卵間隔の延長は,主として排卵後の卵が卵管内に長く滞留することによって誘起される現象であることが示唆された.

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