日本畜産学会報
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豚卵巣の表在上皮の走査電子顕微鏡による観察
宮本 元古林 亮介石橋 武彦
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1982 年 53 巻 10 号 p. 692-698

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抄録
豚卵巣の表在上皮の微細構造を明らかにするため,この研究を行った.16頭の未成熟または成熟豚から卵巣を採取して,2.5%グルタルアルデヒドで固定し,1%オスミウム酸で後固定した.ついで臨界点乾燥の後,金のイオンスパッタコーティングを行い,走査電子顕微鏡で観察した.13日齢の豚卵巣表面には卵胞は見られず,表在上皮細胞は多角形で軽く突出しており,多数の短い微絨毛でおおわれていた.これらの微絨毛の間に少数の線毛様突起が見られる細胞もあった.6~7月齢および成熟豚の卵胞の表在上皮細胞は,大部分の場合前述の13日齢の卵巣表面とほとんど同じ多角形であり,多数の微絨毛でおおわれていた.大卵胞(6~12mm)をおおっている表在上皮細胞の大きさは,小卵胞(1~2mm)および中卵胞(3~5mm)のものより少し大きい傾向があった.また,大卵胞の表在上皮細胞の微絨毛は,小卵胞および中卵胞のものより少し長い傾向も見られた.発情後期の初期には,排卵点付近では表在上皮細胞はほとんど見られなかった.発情後期には,排卵点付近にたとえ表在上皮細胞が存在しても細胞の輪郭は明瞭でなく微絨毛も少ないが,発情休止期には細胞の輪郭が明瞭になり,多数の微絨毛も観察された.一般に,走査電子顕微鏡で観察した豚卵巣の表在上皮の微細構造は,実験小動物および霊長類のものと類似していた.
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