日本畜産学会報
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山岳育成が肥育牛の器官,枝肉および肉組成に及ぼす影響
小堤 恭平岡田 光男山崎 敏雄河上 尚実臼井 実
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1982 年 53 巻 8 号 p. 553-558

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抄録

山岳育成が肥育牛に及ぼす影響を調べるために,山岳地帯で育成し,その後平場で肥育したホルスタイン種去勢牛11頭と,平場で育成•肥育したホルスタイン種去勢牛10頭について,それぞれの諸器官重量,枝肉組成および肉組成について比較検討した.これらの牛の屠殺前体重は約600kgであり,結果は次の通りであった.山岳育成した肥育牛の心臓,脾臓,横隔膜および複胃の平均重量は平地で育成した肥育牛よりも有意に大きかった(P<0.01)が,小腸および大網膜の平均重量は平場で育成した肥育牛の方が山岳で育成した肥育牛よりも有意に大きかった(P<0.05).枝肉中の筋肉および脂肪の平均重量は両者間に差はなかったが,山岳で育成した肥育牛の平均骨量は平場で育成した肥育牛より有意に大きかった(P<0.01).筋肉の組成には両者間で有意な差は認められなかった.

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