日本畜産学会報
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成山羊における血漿ビタミンE水準とTween 20による溶血率の関係
甫立 京子浜田 龍夫
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1985 年 56 巻 6 号 p. 468-471

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抄録

サイレージと配合飼料を給与した成山羊に酢酸-α-トコフェロールを投与して,血漿ビタミンE水準と非イオン性界面活性剤Twean 20による溶血率の関係をしらべ,Tween 20溶血法が成山羊において血漿ビタミンE水準の簡易的判定法として利用できるかどうか検討した.血漿中のα-トコフェロール値を,(1) サイレージの種類をイタリアンライグラスからトウモロコシに変換する,(2) 酸酸-α-トコフェロールを1日100mg宛経口投与する,(3) 酢酸-α-トコフェロールを3mg/kg体重筋肉内に注射するの3種類の方法で変化させた.液体クロマトグラフィーで供試した山羊血漿中の遊離型のα-トコフェロール値を測定した結果,0.88~6.91μg/mlの間に分布していた,それぞれの赤血球を1.25%Tween 20溶液中に浮遊させ,37°Cで15分間培養後,溶血率をもとめた.溶血率が20%以上でα-トコフェロール値が2μg/ml似下,ならびに,溶血率が20%以下でα-トコフェロール値が2μg/ml以上の関係を示したものが83例中77例あった.以上の結果からTween 20溶血法は血漿中のビタミンE水準の簡易判定法として利用できると考えられる.

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