日本畜産学会報
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Bifidobacterium breveの生産するプロリンイミノペプチダーゼの精製とその性質について
鄭 正權長澤 太郎
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1985 年 56 巻 6 号 p. 484-494

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抄録

Bifidobacterium breve (MT-17)の菌体抽出液を,硫酸プロタミン処理,硫安分画,DEAE-セファロースCL-6Bカラムクロマトグラフィー(2回),ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー,クロマトフォーカシングとポリアクリルアミドゲル電気泳動抽出によりL-プロリン-p-ニトロアニリドを基質として,プロリンイミノペプチダーゼを精製(約3,400倍,比活性590units/mg protein)した.
本酵素はポリアクリルアミドゲル電気泳動的に単一蛋白質であり,クロマトフォーカシングにより等電点はpI 3.60で,分子量はセファデックスG-75のゲル〓過法およびよびSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によりそれぞれ約67,000と67,500と推定された.またその最適pHおよび温度はそれぞれ6.8および37°Cで,40°C30分間の加熱処理では安定,45°C以上では急激に不活性化された.重金属,チオール試薬およびアルキル試薬は阻害的にそれぞれ作用したがキレート試薬は本酵素の活性を阻害しなかった.
本酵素はdi-, tri-およびlonger-chainなどのペプチドのN末端プロリンとハイドロキシプロリン-β-ナフチルアミドに活性を示した.またハイドロキシプロリン-β-ナフチルアミドの加水分解率はプロリン-β-ナフチルアミドのそれの約2倍であった.

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