日本畜産学会報
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マウス骨格測定値の主成分分析
清水 弘粟田 崇上田 純治八戸 芳夫
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1985 年 56 巻 6 号 p. 495-504

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抄録

マウス主要骨格の特性とその大きさを支配する要因を明らかにするために,9週齢時の体重と11骨格部位を含む12部位の測定値について,主成分分析を行なった.さらに,体重選抜に伴う体格の大きさと体形の変化について検討した.
(1) 主成分分析から得られた第1主成分はすべての測定値で正の固有ペクトルを示し,体格の大きさを表す特性値と解釈された.第2主成分は体形の特性値で肢が長く,胴が短かい体形と関連していた.
(2) 第3主成分については,性間,反復間で一致した解釈がえられなかったが,雌の反復1の第4主成分と反復2の第3主成分はいくつかの測定値で同程度の固有ベクトルをもち,とくに寛骨幅と強い関連性が認められた.
(3) 6週齢体重を重く雄雌ともに選抜した系統は体格が大きくなるが,相対的に胴が長く,肢が短かい体形になり,雄のみの選抜系は体格の大きさも増加するが,体形が前系統と逆に肢が長く胴が短かい傾向を示し,両系統間に体形の差異が認められた.

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