日本畜産学会報
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Bactoscan法による生乳中の細菌数の迅速自動測定
佐藤 哲生吉野 正純北田 徳蔵古川 左近染谷 幸雄橋詰 和宗森地 敏樹
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1987 年 58 巻 12 号 p. 1040-1047

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抄録

生乳の細菌数の迅速自動測定装置Bactoscan 17600 (A/SN. Foss Electric, Denmark) の性能試験を, 生乳試料 (一部, 7℃または30-37℃で培養し, 菌数を増加させたものを含む) 305点を用いて実施した. 対照として, 標準平板培養法により生菌数を, Breed法により直接鏡検個体数 (全菌数) を測定した. その結果, (1) Bactoscanにおけるキャリーオーバー効果は, 前に測定した試料が, 次の試料に比べて25倍以上高い測定値を示す場合にのみ補正を要すること, (2) 同一試料を測定して得た2つのインパルスの対数変換値間の相関係数は, 0.999であり, インパルスのバラツキ具合は, 変動係数で2.3-7.7%となり, その繰り返し精度は, 公定法に比べて, 優れていること, (3) Bactoscanのインパルスの対数値と生菌数あるいは全菌数のそれとの相関係数はそれぞれ0.921, 0.936であり, 生菌数が104-108/mlの範囲で, 本機は生乳の細菌学的品質評価に利用しうること, (4) 防腐剤を添加した試料でも, 本機によって, おおよその細菌数レベルを知ることができることを明らかにした.

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