1988 年 59 巻 1 号 p. 23-30
フィールド記録を用いて種牛評価を行なう場合,当該集団の構造に適合したモデルを選択することが重要である.そこで,昭和55年から58年にかけて大分県から出荷された黒毛和種去勢肥育牛2,208頭の枝肉市場記録を用いて,モデルの当てはまりおよび予測誤差分散の観点からモデルの検討を行なった.その結果,黒毛和種の現状では遺伝的グループを取り込む必要はないが,種雄牛の交配にランダム交配からのズレが認められ,モデルに母方祖父牛を考慮すべきであることが分かった.また,肥育農家としては中程度以上の規模の農家を取り込み,年度-肥育農家としないで,年度と肥育農家とを別々の主効果として取り上げる方が妥当であることが示唆される.