日本畜産学会報
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黒毛和種去勢牛における主要な11種の筋肉の色調と総色素含量に及ぼす月齢の影響
三津本 充三橋 忠由山下 良弘
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1988 年 59 巻 1 号 p. 54-60

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抄録

黒毛和種去勢牛28頭から大腿二頭筋,中殿筋,外側広筋,半腱様筋,半膜様筋,大腰筋,広背筋,胸最長筋,腰最長筋,上腕三頭筋長頭部,棘上筋を採取し,それらの色調,総色素含量と月齢との関係について検討した.色調と総色素含量は11種の筋肉間で異なっていた.外側広筋,広背筋および棘上筋の明度は月齢とともに減少したが,それらの筋肉の赤色度,黄色度,彩度は変化しなかった.一方,格付の主要な筋肉である胸最長筋および腰最長筋,中殿筋,大腰筋の明度は月齢が増加しても変化せず,赤色度,黄色度,彩度は増大した.全筋肉では黄色度が最も変化し,総色素含量は明度との間に負の相関が認められた.また個別の胸最長筋などの筋肉では総色素含量は月齢とともに増加するにもかかわらず,明度との間に相関関係が認められなかった.胸最長筋では,月齢とともに脂肪含量が増加し,総色素含量が増加しても明度の変化が小さいことが示唆され,黒毛和種去勢牛の特徴と考えられた.良好な筋肉色調には22か月齢以降になるとみなされた.

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