日本畜産学会報
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群飼•自然交配における雄豚頭数の違いが求愛行動時間および乗駕回数に及ぼす影響
谷田 創原 勇介田中 智夫吉本 正
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1990 年 61 巻 3 号 p. 283-288

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抄録

群飼•自然交配を行なうにあたって,雄豚頭数の違いが求愛行動時間および乗駕回数に及ぼす影響を調査することを目的とした,血清生性腺刺激ホルモンを投与した計90頭の雑種雌豚と計12頭の系統造成されたランドレース種雄豚を用い,栃木県の全畜連研修牧場において夏期2ヵ月間にわたり実験を行なった.実験区として,雌豚10頭群に対して,雄豚1頭区,2頭区および4頭区を設け,それぞれの区において雄豚の性行動を24時間にわたりタイムラプスビデオレコーダーにより調査した.同様の実験を計3回,反復した.雄豚4頭区における各雄豚の求愛行動時間は,1頭区に比べて有意に長く,乗駕回数も有意に多かった.2頭区の雄豚は,1頭区の雄豚に比べて,性的に,より活動的であったが,両区の間に有意な差は認められなかった.4頭区の雄豚の性行動は互いに誘発しあい同課する傾向にあり,性行動における社会的促進の存在が示唆された.

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