抄録
属間雑種(F1)の染色体観察は,胚組織培養法を用い入卵後5~7日目の初期胚について行なったところ,性染色体構成はすべてZZを示し雄であった.腕比(AR)が得られたNos.1,2,4および8において,F1の相同対間で差が認められ,さらにその相同対はニワトリと差があるもの,およびウズラと差があるものに分類され,両親であるニワトリあるいはウズラ由来の染色体を推定することが可能であった.性染色体(ZZ)については,大きさおよび形態ともにほとんど同じであり,判別できなかった.G-バンドは,染色体が短くなるに従いバンド数が減少し隣接するバンドの確認が困難になった.G-バンドによりニワトリあるいはウズラ由来の推定が可能であったのは,Nos.1,2,4,6,7,8およびZ染色体であった.しかしながら,Nos.3,5および9については,G-バンドが相同対間で差異が観察されず相同対間で由来の識別はできなかった.