1991 年 62 巻 8 号 p. 735-741
アオエリヤケイ(Gallus varius)と岐阜地鶏(Gallus domesticus)の自然交配によって得られたF1(雌)の染色体は,相対的長さおよび腕比など形態的特徴からNos.1,2,3,4染色体の由来について推定することが可能であった.一方,Nos.5,6,7,8および9については,由来を確認することが困難であった.性染色体については,F1が雌であり,作出に供試したアオエリヤケイが雄,岐阜地鶏が雌であることから,Z染色体がアオエリヤケイ,W染色体が岐阜地鶏由来であることは明らかであった.G-バンドは,F1および岐阜地鶏でほぼ同様に出現し著しい相違は観察されず,バンドから由来を追求することはできなかった.アオエリヤケイおよび岐阜地鶏の大型染色体間では,G-バンドのパターンにおいて非常に高い相同性が存在した.