日本畜産学会報
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BLUP法による屠肉性に関する種雄牛評価のための最適モデルの選択
三宅 武守屋 和幸佐々木 義之
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1995 年 66 巻 3 号 p. 259-266

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抄録

BLUP法による屠肉性に関する種雄牛評価のための最適モデルについて検討を行なった.材料として屠肉性形質を想定して発生させたシミュレーションデータを用いて,父親モデル,母方祖父モデル(以下MGSモデルと略す),および個体モデルにより種雄牛評価を行ない,各モデルによる種雄牛評価の有効性について比較検討した.データ発生では,3通りの農家水準数,および2通りの雌選抜方法を設定した.設定したいずれの条件下においても,父親モデルが他のモデルよりもかなり低い正確度を示した.一方,MGSモデルと個体モデルとの間の差は小さく,とくに農家数が増加した場合にはその差は認められなかった.平均平方誤差では個体モデルが最も小さい値を示したが,その場合でも,全個体が記録を持っているとした場合に比べて偏りは大きかった.個体モデルの評価個体数は父親モデル,MGSモデルに比べてはるかに多くなった.以上の結果より,屠肉性形質についてフィールド記録に基づく種雄牛評価を行なう場合には,個体モデルよりもMGSモデルを用いることで,より有効に種雄牛評価が行なえるものと推察される.

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