抄録
麦茶の製造過程で産出する麦茶製造副産物(麦茶粕)の飼料特性を検討した.麦茶粕は原料大麦と比べ溶解性タンパク質,結合性タンパク質,細胞壁の有機物部分および酸性デタージェント繊維を多く含有していた.麦茶粕のデンプンや粗タンパク質(CP)の第一胃内消失率は培養初期において原料大麦よりも高く推移したものの,その後のCPの消失率は全体的に低く推移した.アルファルファキューブを基礎飼料とした飼料をヤギに給与して麦茶粕の栄養価(乾物中)を推定すると可消化養分総量(TDN)が71.0%,可消化粗タンパク質が2.9%,可消化エネルギーが12.85MJ/kg,代謝エネルギーが10.67MJ/kgと求められ,麦茶粕は一般的に用いられている大麦の8割程度のエネルギー価を有することが明らかとなった.