中部日本整形外科災害外科学会雑誌
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原著
多施設共同研究による小児上腕骨顆上骨折の神経障害に影響する因子の検討
渡部 拓竹上 靖彦今井 澄近藤 史樹柘植 峻今釜 史郎
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2021 年 64 巻 1 号 p. 11-13

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抄録

【はじめに】小児上腕骨顆上骨折の術後合併症として神経障害が挙げられる.今までに単施設からの報告はあるが多施設からのまとまった報告は少ない.【対象および方法】2014年から2019年に15歳未満の上腕骨顆上骨折に対して骨接合術を行った症例を関連4施設で集積した.評価項目は骨折型,ピンニングの方法とした.術後合併症における神経障害の有無とし,その要因となるものを単変量解析とロジスティック回帰分析を用いて検討した.【結果】248例に対して骨接合術が施行された.男性155例,女性93例,平均年齢6.4歳,平均身長117.6cm,平均体重22.2kg,骨折型はI型とII型:III型とIV型,171例:77例であった.神経障害を認めた症例は15例(うち正中神経11例,橈骨神経3例,尺骨神経1例)であった.ロジスティック回帰分析の結果,骨折型の違いが有意な因子であった(オッズ比:6.32,P=0.0036).【結論】小児上腕骨顆上骨折において骨折型が有意な神経障害の危険因子であった.

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© 2021 The Central Japan Association of Orthopaedic Surgery & Traumatology
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