抄録
ヒノキ人工林の高齢林化に伴う樹冠構造の変化が表面侵食に与える影響を検討するため,静岡大学農学部
附属の天竜フィールド内のヒノキ高齢林と壮齢林を対象に,歩行型LiDAR により計測された点群データ解析を
用いて両林分の樹冠構造を定量化するとともに,表面侵食量の現地観測を行った。その結果,高齢林の樹高,枝
下高,樹冠長,胸高直径,樹冠投影面積は壮齢林のものよりも大きかった。また,林内雨量は高齢林で僅かに高
まる傾向が確認された。その一方で,両林の表面侵食量の違いは明確ではなかった。このことは,高齢林化に伴
う樹冠構造の変化が表面侵食量にそれほど大きな影響を及ぼさないことを示唆している。