2024 年 15 巻 p. 35-40
本研究では,プログラミング学習において生成AIを活用して自力解決を目指す学習者に着目し,①生成AIからのフィードバックを要求するプロンプトの分類を作成して,②プログラミング学習での教育的実践に適用し,学習者と生成AIとのやり取りを評価することを目的とする。これを達成するために,高校2年生が生成AIに要求したプロンプトを対象に,大谷(2022)(1)のSCAT(Steps for Coding and Theorization)を適用し,プロンプトの分類を行い,大分類3つと中分類6つと小分類8つに分けることが出来た。次に,本研究で作成した分類を習得的なプログラミング学習と探究的なプログラミング学習にそれぞれ適用し,その実践を評価した。前者に適用した所,教師が設定した学習課題そのものの良し悪しを検討することや,生徒の到達度評価に転用できることの可能性を明らかに出来た。また後者に適用した所,学習者の課題の進捗状況を評価できる可能性が明らかとなった。今後の課題としてより多くの学習者が参加する実践に対して,本研究で作成した分類を適用する必要がある。