2025 年 16 巻 p. 15-22
AI技術が急速に発展する中,教育現場でもAI教育の重要性が増している。日本政府は初等中等教育段階における生成AIの利用についてガイドラインを発表し,韓国政府は2022年に教育課程を改訂して,小学校からAI教育を全面的に導入した。AI教育が今までにない分野であるため,国ごとに差異が生じると考えられる。本研究では,AI教育の4つの観点(AI理解教育,AI倫理教育,AI活用教育,AI融合教育)に基づいて比較した。その結果,日本は情報活用能力とリテラシー教育を重視し,高等学校と大学を中心にAI教育を実施しているのに対し,韓国はAI融合教育に重点を置き,小学校段階からAI教育を行っていることが分かった。また,AI教育の課題として,①「AI教育の位置付け」,②「情報教員数の拡充」,③「AI倫理教育の迅速な導入」を挙げた。