抄録
生体内で機能しているタンパク質の多くは四次構造を形成している。この構造を予測するタンパク質ドッキングには,タンパク質間相互作用を高速に評価する手法が重要である。これまでの我々の研究において,Krishnamoorthy等らが開発した統計的粗視化ポテンシャルや,我々によるその改良ポテンシャルをスコア関数に採用したタンパク質―ペプチドリガンド複合体の高速構造探索(ペプチドリガンドドッキング)法を開発してきた。本研究では,これらの粗視化ポテンシャルをタンパク質四次構造の安定性評価に適用できるかどうか検討するため,ホスホフルクトキナーゼ四量体の多形構造を生成し,それらをAMBER力場と粗視化ポテンシャルを用いて比較した。