抄録
近赤外線スペクトルはサンプルの性質や物性を推定するモデルの入力値として、様々な研究分野に使われている。近年、精密農業において、生産管理向上のために、土壌成分値をモデルで迅速に予測することが求められている。本研究では、線形回帰モデル及び非線形回帰モデルと遺伝的アルゴリズムを組み合わせた波長選択手法を用いて、ある官能基を表す波長と土壌成分値の間に非線形な関係が存在することを確認した。また、それぞれの地域から測定されたデータには大きな違いが存在するため、未知の地域のデータを予測する際には、モデルの適用範囲を考慮すべきである。この問題を解決するために、ベーズアンサンブル学習を用いた手法を提案し、その結果、従来手法と比較して大幅な改善が確認された。