抄録
狭バンドギャップ高分子の合理的設計に適した、モノマーの芳香族・キノイド性を表す記述子QSEを開発した。この記述子は、モノマーと結合部位のみを考慮したDFT計算から簡便かつ一義的に算出できる。QSEは高分子のバンドギャップと良い相関を示し、QSE=0付近でバンドギャップは最小となる。共重合体のバンドギャップは2つのモノマーのQSEの平均値と相関するため、狭バンドギャップ共重合体となるモノマーの組み合わせや組成比を予測できる。このQSEを基に、機械学習的な手法を用いて、モノマーの芳香族・キノイド性およびドナー・アクセプター性を表す記述子を用いた狭バンドギャップ高分子予測モデルの構築を試みた。その結果、良好な予測能が得られると共に、バンドギャップ予測に対するQSEの重要性も示された。