抄録
2016年、Googleが新しい機械翻訳(GNMT)を発表した。その性能は人間翻訳に迫る可能性を見せ、「翻訳者は不要になる」との予感をもたらした。AIへの期待が盛況を呈するのに比例して、AI vs. 人間という二項対立に則り「AIで無くなる仕事」がリストアップされた。
一方、「人間が機械に負けるわけがない」という意見も依然として多い。GNMT発表から3年、当社は代表的AIのひとつであるMT活用に取り組んできた。その取組を報告する。それはAI vs. 人間という単純な二項対立ではなく、「人間の道具としてのAI」という考えに基づくものである。