抄録
JAROS2016大会は、私どもの学会創立十周年にあたります。学会創立にいたるまでは、公開研究会「金融技術と経営」を、月例で開催しておりました。その研究会には、企業経営の実務家の方々、諸所の大学の大学院生の皆さま、会計事務所やコンサルタント企業の方々、民間及び公的な研究機関の研究者の方々など、多岐にわたる専門分野の方々が、大いなる熱意をもって、集まりました。
そのころは、ファイナンスおよび金融の世界に革新が起っていたかと思います。そのような革新は、当然、諸産業の他の領域にも拡散しようという勢いがありました。
特に、そのころ台頭してきた金融技術、テクノロジーに啓発された面が大きかったかと思います。そこに見出された新鮮なる概念として「オプション」なるものがありました。「オプション」は、本質的に、不確実性とリスクを宿した「もの(原資産)」の保有やそれの取引約束の価値を問うものであります。
本学会の原点を振り返りながら、これからのフロンティアにどう立ち向かうのか、について、4人のパネラーの方々に、その思いを語っていただきながら、また、問題提起などしていただき、フロアーの皆さんと、、ディスカッションをしていただきたいと思います。