理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: CP665
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運動学
地域在住高齢者における免荷歩行が歩行時の動的バランス機能に及ぼす影響
*柴 喜崇大渕 修一酒井 美園色川 亜美渡辺 修一郎柴田 博
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抄録
【研究背景及び目的】  静的バランス機能と動的バランス機能は独立している(Owing TM, 2000)。静的バランス機能に特異的なトレーニングとして姿勢を保持するトレーニングがある。しかし、動的バランス機能、特に歩行時の動的バランス機能に特異的なトレーニング方法は明らかにされていない。臨床においては、歩行障害に対して近監視及び介助歩行が行われているが、これが動的バランス機能に特異的なトレーニングであるかは明らかでない。近年、体幹をハーネスで釣り下げ、トレッドミル上を歩行する、トレッドミル免荷歩行(PBWST)トレーニングが開発された。脳血管障害者においては効果が明らかである点から(Visintin M, 1998)、本トレーニングが歩行時の動的バランス機能に影響を与えていることが推測される。本研究の目的は、地域在住健常高齢者を対象に免荷有無における動的バランス機能を、歩行時に左右2つのベルトの速度を変えられ、外乱刺激を与えることが可能な装置(以下、両側分離型トレッドミル)を用いて調べることである。【参加者】  整形外科疾患、神経疾患がなく研究に同意が得られた、相模原市在健常高齢者30名(男性13名、女性17名、年齢69.3±0.74歳)である。【方法】  両側分離型トレッドミルの左側ベルトのみ速度を急激に減速させて外乱刺激を身体に加える。動的バランス機能は、外乱刺激から各筋の筋活動開始までの潜時・骨盤加速度最大値までの時間をもとに判断する(上出, 2002)。第2仙骨部に3軸加速度計、両側の前脛骨筋・腓腹筋に表面電極、踵部にフット・スイッチを貼り付けた。免荷の有(10%, 20%)無(0%)の3種類で、各々3分間実施し、後半2分間に任意な外乱刺激を5回与えた。【観測変数】  1)外乱刺激側・非刺激即各々の外乱刺激から筋活動が開始するまでの潜時(msec)。2)外乱刺激から左右・前後方向最大加速度(G)及び最大加速度に至るまでに要する時間(msec)。【結果】  前脛骨筋の潜時は免荷なし(0%)、免荷あり(10%, 20%)の3群間に差はなかった(n.s.)。骨盤加速度が最大値に至るまでの時間でも3群間に差はみられなかった(n.s.)。骨盤左右加速度範囲、前後加速度範囲は免荷なし(0%)群が、免荷あり(10%, 20%)群に比べて有意に高値を示した(P<0.05)。【考察】  免荷有無の比較において、外乱刺激側・非外乱刺激側共に前脛骨筋潜時に差はみられなかった。さらに骨盤加速度が最大値に至るまでの時間においても差がなかった。免荷の有無にかかわらず筋活動反応に違いはなかったといえる。骨盤加速度範囲においては、免荷なし(0%)群が、免荷あり(10%, 20%)群に比べて高値であった。脳血管障害者においては免荷歩行トレーニングが歩行能力の改善に効果があることが明らかな点から(Visintin M, 1998)、PBWSTトレーニングは、身体重心に加わる力を低値で制御可能な歩行トレーニングであるといえる。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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