理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: DO044
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骨・関節疾患(整形外科疾患)
人工膝関節置換術後の獲得屈曲可動域と矢状面でのLaxityの検討
*石井 亮石井 義則松田 芳和高橋 賢木賀 洋
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キーワード: 関節可動域, Laxity, KT-2000
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抄録
【はじめに】人工膝関節置換術後の理学療法を行う上で膝関節可動域の獲得は重要な要素の1つである。今回、我々は人工膝関節置換術後の屈曲可動域に影響を及ぼす因子の中から、矢状面のLaxityに注目し、屈曲可動域の獲得に及ぼす影響を検討した。【対象】1998年2月から2002年4月の4年2ヶ月間に当院でセメントレス人工膝関節置換術を施行し、術後6ヶ月以上経過した症例44例53関節。獲得した屈曲可動域により、70度から95度をA群(7例)、96度から105度をB群(13例)、106度から119度をC群(10例)、120度以上をD群(22例)の4つのグループに分類した。機種はDepuy社のモービルベアリング型LCS人工膝関節システムを使用し、臨床上愁訴のない症例を対象とした。なお術後のプロトコールは、術後1週まではダングリングなどの自動関節運動を行い、2週以降は理学療法士による他動的関節可動域訓練を行った。【方法】メドメトリック社製ニーアースロメーターKT2000を使用し、測定肢位は背臥位にて膝屈曲30度及び75度を指定角度とし、前方133Nの前方引出し力及び後方89Nの後方引出し力を加えた。それぞれ3回ずつ測定を行い、前後方向総変位量(total A-P displacement、以下TD)の平均を比較検討した。測定誤差は0.5mm以内であった。なお統計学的解析にはScheffe法を用いた。【結果】30度におけるTDの平均値はそれぞれA群6.8、B群6.8、C群10.3、D群8.2、であり、75度におけるTDの平均値はA群5.9、B群4.7、C群6.5、D群6.0、(単位はmm)であり、4群間において有意な差は認められなかった。(P>0.05)【考察】人工膝関節置換術後の関節可動域に影響を及ぼす因子として、術前可動域や軟部組織のテンションバランス、インプラントのデザインなどが挙げられている。その中で、矢状面でのLaxityは、膝関節可動域に大きく影響すると言われているroll-backを反映すると考え検討を行った。しかし、今回の結果からモービルベアリング型インサートを用いた人工膝関節置換術後において矢状面でのLaxityの屈曲可動域への直接的な影響は認められなかった。このことから術後の後療法において、前後のLaxityに対するアプローチは可動域獲得には直接つながらず、むしろむやみに前後のLaxityを大きくすることは、関節の不安定性を引き起こす危険性があると考える。今後はPCL温存・切除の影響や内外反のLaxity、術前の可動域や個体差を考慮した検討も加えていきたい。【結論】モービルベアリング型インサートを用いた人工膝関節置換術後において矢状面でのLaxityは、術後屈曲可動域に直接影響を与えないことが示唆された。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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