理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: EP141
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成人中枢神経疾患
急性期脳卒中片麻痺患者の非麻痺側振り出し動作時の麻痺側下肢荷重率とBBSの経時的変化
*丹羽 義明
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抄録
【はじめに】脳卒中片麻痺患者(片麻痺)の発症後早期の理学療法では歩行に必要な姿勢調整能を獲得する目的で麻痺側下肢を支持脚とし、非麻痺側下肢の振り出し動作を行わせる手技はよく用いられる。今回、非麻痺側下肢振り出し時の麻痺側下肢荷重率(振り出し時荷重率)とBerg Balance Scale(BBS)について発症後早期からの経時的変化について検討したので報告する。【対象】発症後2週間以内に理学療法開始となった当院入院の男性片麻痺10名(平均年齢66.1±11.3歳)を対象とした。その内訳は梗塞8名、出血2名(右麻痺5名、左麻痺5名)で初回測定時の下肢Brunnstromは Stage II-2名III-1名IV-6名V-1名である。【方法】測定項目は1.安静麻痺側荷重率2.最大麻痺側荷重率3.振り出し時荷重率4.BBSで、項目1から3は日立機電工業の立位練習器エチュードボーを用いて測定した。被験者を左右プレート上に軽度開脚位で前方注視立位をとらせ安静麻痺側荷重率の測定後、麻痺側下肢にできる限り荷重するように指示し最大麻痺側荷重率を測定した。振り出し時荷重率は非麻痺側上肢を肘関節軽度屈曲位にて平行棒に支持させ、非麻痺側下肢を前方に振り出させ測定した。それぞれの荷重率の測定記録は1/100秒毎に行なわれ、安静麻痺側荷重率及び最大麻痺側荷重率は10秒間測定し測定開始後3秒から7秒までの4秒間の平均値を採用し、振り出し時荷重率は非麻痺側下肢の前方振り出し動作を5回行わせ、非麻痺側下肢の振り出し動作における離床から床接地までの間の麻痺側荷重率の平均値を求め、最大及び最小値を除いた3回の平均値を採用した。また、項目4は同一検者で麻痺側得点を評価した。測定は発症2週後を初回とし2週間毎に合計3回実施し、解析は測定項目各々について3回の測定値を多重比較を用いて検討し、有意水準は5%未満とした。【結果】安静麻痺側荷重率は初回(40.4±7.5%),2回(35.9±8.9%),3回(39.9±7.9%)の間に有意差は認められなかったが、最大麻痺側荷重率は初回(55.6±16.1%)と比較して2回(59.7±17%),3回(74.4±18.9%)は有意な増加が認められた。振り出し時荷重率は初回(68.3±9.9%)と比較して2回 (62.2±10.1%)は有意な減少が認められ、初回(68.3±9.9%),2回(62.2±10.1%)と比較して3回 (74.3±6.9%)は有意な増加が認められた。また、BBSは初回(19.9±15.3点)と比較して2回(37.9±13.5点),3回(43.5±10.4点)は有意な増加が認められた。【考察】今回の検討においてBBSの結果からバランス能力は発症後2週から4週の間に著明に改善することが示されたが、振り出し時荷重率はこの期間に一旦減少傾向を示し、その後増加することが示された。これは発症後早期の誤った安定性限界を認識した姿勢制御調整能が再構築される過程で修正され、難易度の高い動作遂行の状況下では非麻痺側に荷重割合を偏位させ安定性の向上を図るためと推測される。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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